ふくてんの人間0年生雑記

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【分析】品薄戦略!?初心者でもわかる『NintendoSwitch』の品薄の実態について

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出典:任天堂株式会社 様

 

今、日本国民が最も欲しいもの。
そう。「Switch」


僕も猛暑日に汗だくになりながら、ビックカメラに抽選しに行きました。
用意されたのは各色15台ずつの合計30台。
それに対し、集った挑戦者はなんと
1800人超!!

おいおい!おかしいだろこの数字ww
確率が1~2%な上に当選したとしても「Switchが定価で購入できる権利」が貰えるだけww

冷静に考えたら、定価で購入できる事は当たり前の事なのに「なんで蒸し暑い中、並んでるんだろ…」って少し儚い気持ちになりましたw

結果は「落選」
うん。知ってたw

自分が落選した事よりも、暑い中で長時間頑張ってたのに外れた瞬間に泣き出しちゃうお子さんの姿を見て、凄く切なくてやるせない気持ちになりましたね。

僕らみたいな物欲だらけの大人のみならまだしも、こんなに目を輝かせて楽しみにしている子どもたちの手元にも届けてあげられないなんて…ゲーム業界で働く人間として「ごめんね」と言いたくなりました。

Switchは今年の3月に発売して以来、未だに品薄状態が続いている日本ですが、ここまで慢性的な品薄は非常に稀です。
一説には「この品薄は任天堂が仕向けた販売戦略なのでは!?」と囁かれていますが、任天堂側はそれを否定しています。

その真相は不明ですが、今回は
「Nintendo Switchの品薄が続いている原因について」
というテーマでやっていきたいと思います。

 

現在の状況

まずは2017年7月24日現在の状況です。

日本全国でウルトラ品薄状態

NintendoStoreをはじめ、Amazonやヨドバシ・ドット・コムなどオンライン販売は壊滅状態です。
再販時期がわからない上、「再販された!」となった瞬間、速攻売り切れるという悲惨な状況。

では、ビックカメラやヨドバシカメラなど家電量販店での店頭販売はどうなのかというと、こちらも依然として厳しい状況です。

先日(7月21日&7月22日)のビックカメラの抽選会に行きましたが、両日ともに2000人ほどの行列で当選枠はわずか30台のみ。

ほぼ無理ゲーです。

ただ、オンラインでの抽選よりは倍率は低めなので、挑戦してみる価値はありますね。
あとは貴重なお休みの日を削る覚悟があるかどうかですw

 

留まることを知らない価格高騰

あまりにも品薄状態が続き、今やSwitchは最も希少性の高いゲーム機になっています。
そのせいか、「多少、価格が高くても欲しい!」という人が現れ、定価よりも高い値段でも取引されるようになります。

需要が供給を上回ると価格バランスが崩れ、価格高騰が起きるというメカニズムによって今のような状況になっているのですが、Amazonを確認すると日に日に価格が上昇してきています。

現在はなんと…
5万3000円!

なん…だと…。
本来であれば、3万2000円程度で購入できるものが、約40%増額した値段で売られているなんて、ゲームでは見たことがないです… 。


品薄状態が続くワケ

そもそも、NintendoSwitchはなぜこのような品薄の状況を生んでしまったのか、僕なりに考察していきたいと思います。

 

Wii Uの売上を鑑みて、初期出荷台数が消極的だった

任天堂は前回のハード機『Wii U』に対し、積極的な姿勢を見せていました。
理由はその前のハード機である『Wii』が爆発的な売れ行きだった為、Wiiよりも新しいゲーム体験をもたらすことができる『Wii U』の目標販売数も大きく出たという事です。

しかし、その革新的なプレイスタイルであるゲームパッド式の規格ゆえに各社ソフトメーカーが作りにくい仕様となってしまった為、慢性的なソフト不足が生まれました。

その為、今回の『NintendoSwitch』も過剰生産となりすぎないよう、初期段階では積極的な姿勢を見せなかったのではないかと思います。

 

<※追記>
「出荷台数はむしろ歴代でもハイペースなのでは!?」という意見を頂きました為、改めて追記・修正しました。

確かに『Nintendo Switch』の出荷台数は任天堂のみならず、あらゆるハード機の中でも多い方で、売上ペースも歴代最速といっても過言ではありません。

僕がここで伝えたかったのは『NintendoSwitch』は任天堂の社運を賭けたハードと言われながらも、初期段階の出荷台数は『Wii U』とほぼ同じというところに消極的な姿勢を感じたという事です。

誇張して「生産ラインを縮小した」と書いてしまった為、誤解を招きましたこと、お詫び申し上げます。

 

Switchでしかプレイできないタイトルの躍進により、人気爆発!

ゲームハード機にとって、発売と同時に出るローンチタイトルの売れ行きは非常に重要になります。

 

今回のSwitchに関してはゲームレビュー歴代最高スコアを叩き出した
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』


初日から売り切れ続出
『スーパーボンバーマンR』

 

そして、最近発売された任天堂の秘蔵っ子
『スプラトゥーン2』

 これらの人気タイトルの台頭により、ハード機への購買意欲が高まり、需要が爆発的に増えます。これで各ソフトメーカーもハードメーカーもWINWINの関係で経済が潤うと、さらにソフト開発の波が広がり、多くのヒットタイトルを生むことになります。

ハード機にとって、ヒットタイトルがあるという事は売上に直結するほどの重要な事なのです。

 

転売屋の存在により、品薄状態に拍車

これは直接的に品薄状態の原因となっているワケではありませんが、間違いなく助長させている原因であると考えています。

実際、僕が抽選に行った時も中国の方と思われる方が何十人という規模でチームを組んで連番抽選を待っている光景に出会いました。

「そのゲーム機が本当に欲しいから並んでいる」かどうかは、観察しているとなんとなくわかります。

結果的に転売屋が転売目的で大量に在庫を抱えると、需要者に供給がうまく回らなくなり、品薄状態に拍車がかかる上、価格高騰も加速します。

ゆくゆくは少しずつ生産が間に合ってくると、転売屋たちは焦って抱えている在庫を吐き出し始めるので、ある日突然、通常価格で在庫が余っている状態になる可能性もあるかもしれませんね。


任天堂の策略「品薄戦略」なのでは!?…

これについては、まことしやかに囁かれていますが、ゲーム業界で働く僕個人としての意見では、その可能性は低いのではないかと思います。
理由は大きく2つ。

品薄状態で横行している転売行為を野放しにしている

企業側としては全く利益にならない転売行為をあえて野放しにしているとは考えにくいです。

任天堂はコメントを控えていますが、先日の「スプラトゥーン2」発売に伴い、スプラトゥーンデザインの本体(箱も含む)が発売された事により、既に購入した人による再購入や限定デザインの転売が横行する懸念がありました。

それらの懸念を解消すべく、任天堂側は既に本体を持っている人向けに「スプラトゥーンカラーの箱のみ」「スプラトゥーンカラーのコントローラー」を個別に販売しました。

もし、本当に品薄戦略を狙っているのであれば、そんな面倒な事をせずにスプラトゥーン2の本体のみを販売するはずですし、転売防止の為に供給バランスを調整するはずです。


ハード機の品薄は任天堂として大きな機会損失になっている

発売から4ヶ月経った今、大多数のユーザーが入手できていない事はソフト側にとってもハード側にとっても大きな機会損失となっています。

序盤の段階でハード機が普及しなければ、ソフトがいくら在庫を抱えていようが、プレイできないわけです。

ハードメーカーのカラクリとして開発コストと生産コストが莫大にかかっているので、どれだけ売れたとしても、それらのコストをハード機だけの売上で回収する事はほぼ不可能なのです。

それに付帯するソフトが売れる事によって得られるインセンティブやロイヤリティーで初めて黒字になるといっても過言ではないので、この4ヶ月のハード機の供給不足は任天堂にとってはデメリットにしかならないです。

仮に品薄戦略だったとしても大きな機会損失を天秤にかけてでも行う事だとは考えにくいです。

 

まとめ

さて、いかがでしたか(疲れ気味w)
今回はビックカメラの抽選会はずれたよー!くらいのざっくりした記事にしようかと思っていましたが、気づけば、4,000字を越えようとしていますw

NintendoSwitchは間違いなく任天堂の社運をかけたハード機です。
このハード機が任天堂の息を吹き返すことになるか、個人的にとても楽しみです。

その為に任天堂さん。
『僕にNintendoSwitchをください(爆)』

 

それではまた!w