【就活生向け】最新ゲーム開発の裏事情について
こんにちは、ふくてんです。
今回は「最新ゲーム開発の裏に隠された弊害」についてお話したいと思います。
最新ゲーム開発に興味を持ち始めている方は必見です。
【2017年版】最新のゲームについて
今年も残すところあとわずか。
先日も「東京ゲームショウ2017」が開催され、全世界のユーザーを沸き立たせるような数々のタイトルが発表されました。
皆さんも日本ゲーム大賞を受賞した
「モンスターハンター:ワールド」
「ファイアーエムブレム無双」
などが気になっているところではないでしょうか。
また今年、満を持して発売された「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は全世界で人気を博し、今もなお大躍進を続けています。
新しいゲームをプレイする度に新たな「驚き」や「感動」などがあり、心躍らされますよね。
最新のゲームは著しい技術発展により、見惚れるほどの美しいグラフィックや複雑なギミックの実装などを可能にしました。
・冒険心をくすぐる細やかな仕掛け
・思わず息を呑む美しい風景
・肌が粟立つような恐怖感
・アドレナリンが全身から沸き立つくらいの達成感
などなど、技術革新によりユーザーの感情を揺さぶる要素が爆発的に飛躍しました。
画面の中の世界だけで人の心をこれほどまでに動かす事ができるってスゴい事ですよね。
きっと、皆さんの中でも「自分も人の心を動かすようなものを作ってみたい!」と思った方は少なくないはず。
しかし、技術の発展により表現の幅が広がった裏側で、実は多くの懸念があるのです。
最新ゲーム開発の裏事情
ここでは主に「家庭用ゲーム(PS4/Xbox/PC)開発」をテーマにお話していきます。
世界最大のゲームカンファレンス「GDC(Game Developers Conference」や「東京ゲームショウ」などで最新ゲームタイトルが発表された際にプロデューサーが登壇して晴れやかな表情で「開発タイトルの魅力」などをお話されている姿を目にします。
中には「このタイトルではこういった技術を駆使して、新しい体験を実現しました!」というような開発秘話をお話してくださる方もいて、非常に興味深いです。
しかし、その華々しい最新ゲーム開発の話の裏には開発者たちの苦悩や激闘、裏事情があるのです。
裏事情①「分業化が進み、ゲーム開発の全体像が見えにくくなっている」
ひと昔前のゲーム開発では、比較的簡単なワークフローで構成されていた為、ひとりの開発者が担える業務の幅は大きいものでした。
その分、ゲーム開発の全体像が把握しやすく、ゲームの方向性を決めるプロデューサーやディレクターは「どんな作業にどのくらいのコストがかかるか」を把握しやすい状況にありました。
つまり、開発スタッフに追加オーダーをする際に予めコストの範囲に収まるようなオーダーが可能だったということです。
しかし、昨今のゲーム開発では表現力を向上させる為に、より複雑で専門的な知識が必要になりました。
これによって、作業の細分化が進み、専門的な作業を行う為には該当する専門知識を持ったスタッフしか対応できないようになっていきます。
少し、理解が難しい方の為に噛み砕いてお話します。
例えばデザイナーという職種の中で背景デザイナーというパートがあったとして、背景デザイナーが全ての背景データを作れるわけではありません。
背景にも
・宝箱や木々などのオブジェクトを作る人
・それらのオブジェクトのレイアウトを考え、フィールド全体の絵作りをする人
・宝箱を壊せるように設定する人
・ライティング(照明や太陽光)の演出を考え、世界観を構築する人
など、挙げれば枚挙に暇がないほど様々なパートに分かれ、それぞれに専門的な知識が必要です。
パートの分け方は会社によって異なりますが、これらの作業を1人のスタッフが担当する事はほとんどありません。
一例として背景デザイナーを挙げましたが、これはゲーム開発における全てのパートに起こっている事です。
つまり、技術が向上して、専門性が高くなればなるほど、全体を把握できる人が少なくなり、ゲーム開発の見通しが見えにくくなってきます。
実際にオーダーを出すプロデューサーやディレクターが各作業に関する知識を持っていないと、開発スタッフにとって負担を強いるような突拍子もないオーダーをする事に繋がり、プロジェクトが破綻していきます。
◆裏事情①まとめ
ゲーム開発の技術が向上するほど、全体像が見えづらくなり、プロジェクト破綻に繋がる可能性が上がる。
プロジェクトが破綻すると、激務を強いられる事になり、心身ともに疲弊していくデスマーチが始まる。
裏事情②「技術習得に膨大な時間が必要」
専門性の飛躍により、これまで以上に技術習得に時間がかかります。
開発費が潤沢なプロジェクトであれば、習得の為のコストを払えますが、大抵のプロジェクトはそんな余裕はありません。
つまり、どういう事かと言うと習得しながら実務をこなし、仕事外でも知識を得るための努力をしなければならないという事です。
逆に言えば、最新ゲームの開発者になる為には、最低でも上記の覚悟が必要だという事です。
現在、最新ゲームを制作しているクリエイターは総じて、プライベートの時間も仕事の延長として考えている事が多いです。
仕事外でも夢中になって新しい知識を蓄え、常に最新技術を身につけようとしなければ、ついていけないような世界なのです。
◆裏事情②まとめ
最新ゲーム開発の技術習得はプライベートの時間も削って身につけないと厳しい世界
裏事情③「ノウハウが少ない為、独学での解決力が必要」
まず、「誰かに教えてもらおう」と考えていては、この世界は厳しいです。
もちろん、既に知識を持っている先輩から教えてもらう事はできますが、最新技術というのはノウハウがない事の方が多いです。
開発の最前線で戦っている先輩たちでさえ、手探りの世界なのです。
そんな中で、「誰かが調べた事を学べばいいや」と考えていては、あっという間に置き去りにされて、足手まといになるでしょう。
わからない事があれば、どんな手段(犯罪はダメです)を使ってでも、知識を得ようとする力が最新ゲーム開発をする為に最も重要な事です。
「わからない事があれば、まずは調べる」
これはゲーム開発だけでなく、どの企業に勤めていても大切な事です。
ここまで読んでいる方はそんな事をわざわざ言わなくてもご理解頂いているかと思います。
しかし、最新ゲーム開発における大切な事の本質はそこではありません。
「わからない事があれば、わかるまでとことん調べ、検証し、さらに結果を分析し、改善する。」
これらを自分自身でやりきるロジカル的思考と忍耐力が大切です。
"なにが何でもやりきる"
時にはどんな施策を打って実行しても、打開できない問題が立ちはだかる時があります。
しかし、プロクリエイターはそこで考える事を諦めずに、熟考し、検証と改善を繰り返します。
それこそが、人の心を動かすコンテンツづくりの活路を見出す為に残された唯一の手段なのです。
◆裏事情③まとめ
"最新ゲーム開発はノウハウが少ない為、独力で問題を打開する行動力と忍耐力が必要"
さいごに
ゲーム開発は人々にエンターテイメントを届ける魅力的な仕事ですが、その裏側では並々ならぬ努力と葛藤があります。
今回の内容はゲーム業界への就職を目指している方にとっては耳の痛いお話になってしまったかもしれません。
けれど、私がこの記事で伝えたいのは「早いうちに諦めろ」ということではありません。
むしろ、その逆です。
今のうちから、表裏一体のあらゆる情報を知り、覚悟をした上で挑戦して頂きたいという思いでこの記事を書かせて頂きました。
近い将来、本記事をご覧になった方がゲーム業界で活躍する日を夢見ながら、お待ちしております。
それでは、また。